どうも、週末モデラーの白河せせらぎです。
先日はサブリメイションセルシェーダーの記事を沢山の方に読んでいただきありがとうございました。今回はアンチエイリアスに関するお話です。
LightWaveの輪郭線とサブリメイションセルシェーダーの描画はカメラオプションのサンプル数を上げることでアンチエイリアスが掛かり滑らかな線が出ます。
先日投稿した画像でもサンプル数の設定値を上げて、LightWave上でアンチエイリアスを掛けていました。
今回はLightWave上でアンチエイリアスを一切掛けず、外部ツールでそれを行おうという実験です。使用するツールは「OLM Smoother」という無料公開されているプラグインを使用します。
そもそもアンチエイリアスとは?
jpegなどのコンピュータ上で取り扱う画像は無数の点の集合で出来ています。単色で曲線を描画した際にジャギーというギザギザが発生してしまうのですが、これを目立たないように色を滑らかに変化させるのがアンチエイリアスです。
アンチエイリアスが掛かっていない画像は拡大すると、ドット絵のように見えます。
下の画像はサンプル数0でレンダリングしたものです。
アンチエイリアスを外部ツールで行うメリット
アンチエイリアスを外部ツールで行うメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
メリットの1つにレンダリングの高速化があります。
1920×1080pxサイズの画像でレンダリング時間を比較したところ、サンプル数1でレンダリング時間は4.3秒、サンプル数8で14.4秒掛かりました。
セルシェーディングのため、元々のレンダリング時間は短いですが、何フレームもレンダリングしたり、4Kサイズにすると大きな差が出てくるのではないかと思います。
2つ目に画像の加工が容易であること。アンチエイリアスを外部ツールで行う=元々の素材は二値化されています。そのため、背景のくり抜きがしやすかったり、特定の色を置き換える場合にむら無く色を選択、加工することが出来ます。
OLM Smootherとは?
こちらのページで公開されている無料プラグインです。Photoshop用とAfterEffects用があります。元々はアニメの二値化されたセル素材にアンチエイリアスを掛けるためのツールです。
今回はこのPhotoshop用プラグインを使い、LightWaveで出力した画像にアンチエイリアスを掛けてみようとおもいます。
OLM Smootherの使い方
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[tl label=’STEP.1′ title=’ダウンロード’]まずはOLMのページからOLM Smootherをダウンロードし、Zipファイルを解凍しましょう。 [/tl]
[tl label=’STEP.2′ title=’プラグインフォルダに移動’] 次に解凍したフォルダの中にあるOLM_SMoother.8bfファイルをC:\Program Files\Adobe\Adobe Photoshop CS6 (64 Bit)\Plug-ins\以下のフォルダに入れます。
(※私の環境がPhotoshop CS6のため、CS6 64Bitの場合になります) [/tl]
[tl label=’STEP.3′ title=’画像の準備’]Photoshopを起動し、加工する画像を読み込みます。 [/tl]
[tl label=’STEP.4′ title=’フィルタ選択’] 上部メニューのフィルター > OLM > OLM SMootherを選択します。[/tl]
[tl label=’STEP.5′ title=’フィルタ実行’] アンチエイリアスを行うだけなら、出てきたメニューのOKをそのままクリック。
背景をくり抜く場合は「Use Color Key」にチェックを入れ、「Choose Color」で背景色の色を選択します。今回はG255を指定しました。SMooth rangeは特に触らなくてもOKです。[/tl]
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比較画像
それぞれ300%に拡大した画像を比較してみました。
向かって左側がOLM Smootherを適用した画像、右側がLightWaveのサンプル数の値を8に設定しレンダリングした画像です。
細かい部分に差はあるものの、ほとんど差がない仕上がりになりました。どちらかというとOLM Smootherの方が遠目に引いた時に白いピクセルが少なめで綺麗でした。
まとめ
レンダリングのスピードと後々の加工のしやすさを考えると、OLM Smootherを使ってアンチエイリアスを掛けた方がいいと思います。
今回は触れませんでしたが、元素材が二値化することでAfterEffectsを使用する際に真価を発揮すると思います。